気まぐれ不定期日記

...... 2006年04月28日 の日記 ......
■ 異端と魔剣士SSS   [ NO. 2006042802-1 ]
そうそれは、とても微かな。

ゆっくりと繰り返される寝息や。
自分よりも早い鼓動だとか。
わずかに触れたところから伝わる体温なんか。


見下ろせば子供の頭。正確には、銀糸の束。
自分の片足を枕に、静かに眠っている。
子供は軽く、足が痺れるということはないが、身動きが取れないことは問題だ。
何故よりにもよって足を選ぶのか。
差し迫って危険が無いのが唯一の救いだ。

聞こえるのは時々こぼれる寝息の端だけ。
誘われる様に、緩い眠気がやってくる。
子供に起きる気配は無い。
特にすることもできることもない。
差し迫る危険も無い。
わずかに諦めも混ざり、瞼を閉じる。
子供の頬が当たっている部分だけが、妙に心地よかった。


命はあたたかいものなのだと知った、ある日のこと。




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