気まぐれ不定期日記

...... 2005年08月30日 の日記 ......
■ 文字数多すぎって言われたのではみだした分こっちに。   [ NO. 2005083002-1 ]
「…なんの処置でしょうか。」
「金持ち私立ってやつは、色々と面倒な事をしてるんですよ。バレない為にやるんですから、文句言わずについてらっしゃい。」
質問はマッドドクターによって簡単に返ってきた。
「ああ、その前にこれ飲んでください。ちょっと危険な薬も使わなきゃいけないんで、それの中和剤です。痛い目みたいなら別に構いはしませんが。」
渡されたのは、薄い桃色の液体が入った透明な小瓶。
蓋を開けても、香りらしい香りはしない。味は飲んでみないとわからないので、そのまま一息に飲み干す。ほんの少し甘味があり、薄荷のような爽かさが口の中に残っていた。
このサド医者が持っているには、かなりまともな薬だ。まとも過ぎていっそ怖い。何か裏があるんじゃないかと疑ってしまうのは、1度でもこの男に治療を受けた事がある者ならば当然の反応だろう。
トットリは受け取ってすぐ、なんのためらいも逡巡もなく一気のみしていた。だから自分も飲んだわけだが。
「それじゃ、私のラボに移動しましょうか。任務の詳しい内容が書いてある書類は、ティラミスが持ってきてくれるそうですから。」
薬を飲んだ事を見届けると、高松はさっさと部屋から出ていってしまう。アラシヤマ達も、総帥に敬礼してからドクターに続いて退室した。


ドクターのラボまであと少し、というところで、アラシヤマは体の異常を感じた。
体が、重い。
次いでくらりと一瞬意識が遠のいた。
原因としてまず思い当たるのは、先ほど飲んだあの薬。薬には副作用として、催眠効果のあるものが多い。しかもあの医者は命に関るものでもない限り、否関わるとしても、薬に関する注意点を患者に言ったりしない。
確かめようと前を行くドクターを呼ぼうとした時、後ろから腕を引かれた。
反射的に振りかえると、どこか苦しそうな顔のトットリがこちらを見ていた。言葉はなかったが、お前もか、と目が言っていた。
間違いない。あの薬だ。
真意を正そうと再び前方を見やる。ドクターは先程よりもいくらか先で立ち止まり、こっちを見ていた。
視線が合い、ドクターが不敵に笑った。
その笑いがひどく神経を逆なでし、その顔を一発殴ろうと思ったと同時に、トットリ共々意識を失った。


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